スイス ベルンBern ルツェルンLuzern
スイスの面積は九州より少し大きい程度だが、もともと地域ごとの都市や農村国家から連邦国ができたため現在も26の州があり、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語と４つの公用語が使われているくらいだから街はどこも個性的で面白い。首都Bernベルン…と書くと…えっ？チューリヒじゃないの？とかジュネーブでしょ？と思う人が多いだろうが、東京のような一極集中を避ける先見の明でこの世界遺産の古都が選ばれたそうだ。川の蛇行に合わせて築かれた城壁都市は見どころ満載だが歴史を刻む時計台へに挨拶したら、100以上ある噴水巡りはほどほどにして新名所パウルクレーセンターZentrum Paul Kleeに足を延ばそう。斬新でありながらとこか懐かしい優しさに溢れる4000点のクレー作品が森に囲まれたユニークな建物で来訪を待っている。なおスイス料理を堪能したいならヨーロッパ最古の屋根付き木造橋であるカペル橋とフレスコ画の街並みと氷河公園で知られる古都ルツェルンに移動して美食処フィステルンPfisternの湖に面したテラス席を予約するのがベストチョイス！
スペイン バルセロナ Barcelona ガウディ＆美食
バルセロナと言えば1886年の着工から140年の長きに渡り未完の工事現場が最高の観光名所という化け物教会サグラダファミリア！設計者ガウディは天才とも奇人とも言われるが、実は病弱な生い立ちから植物や動物を愛して止まない環境共生派ナチュラリストの先駆的存在…だからこそ世界中から「何かを感じたい人々」が集まってくるのだろう。カラフルなタイル作りの爬虫類たちに囲まれるグエル公園も、波打つ外観とエキセントリックな煙突の住宅カサミラも、単にユニークなだけではなく全てが何時までも心に残る造形だ。直線で構成された近代的なビルを見慣れていると一見奇抜な建造物に懐かしさと安らぎを感じるのは「美しい構造は自然が作る」という信念が込められているからに違いない。こんな気分に浸った後は冷えたCAVAを飲みながら地中海の魚を頬張るしかない…目指すは賑わうナシオナル通りから路地を入った素敵なインテリアの老舗Can Soléカンソレ！もちろん新鮮な野菜や魚のグリルも美味いがシメのパエリアだけは忘れずに早めに注文しておきたい。
スペイン バルセロナ Barcelona ミロ＆美食
オリンピック史上最高に美しいと言われる1992バルセロナ大会の強力な弓での聖火点灯シーン…TV画面では一直線に聖火台に飛び込んだ燃える矢は「実はオーバーしてここに落っこちたんだ」とモンジュイック競技場の公園で地面を指さしてガイドが笑う。ロープウェイで簡単に登ることができる丘の頂から一望する港街と地中海の景観は素晴らしい！さらに嬉しいことに世界一充実したミロ美術館がある。大規模な展覧会を機にJoan Miro本人の希望で開設されただけあって青空にマッチした開放的な雰囲気の中でゆっくりと作品に親しむことができる。ピカソも明るく大らかなこの街を愛した一人で市内の美術館周辺にも大きな壁画を残している。アートで感性が刺激され歩き回る時間も長いので美術館は腹が減る！地元のカタルーニャ料理はどの店もボリューム満点でハズレない。ただし以前の名店Positの場所はハンバーガー店になってしまったらしいので次回は少し離れたリゾート地タラゴーナまで足を延ばして評判店El Pòsitの絶品魚料理を是非堪能してみたい！
スペイン マドリード Madrid
サッカーファンには世界一のレアルマドリードしか頭に浮かばないかも知れないが、何と言ってもEUではパリに次ぐ大都市圏…名所旧跡には事欠かない。イスラム王やローマ皇帝、カスティーリャ王、ハプスブルク家、ブルボン朝など覇者が次々変わった歴史からか豪華絢爛な王宮、ドンキホーテとサンチョパンサが出迎えるスペイン広場、ベラスケスやゴヤの圧倒的コレクションを誇るプラド美術館などは何処もカルチャーミックス的な不思議さに溢れている。La Quinta del Sordoはゴヤ邸を改装したレストランとして評判だったが今はカフェバーに変身したらしいので、洒落た空間で洗練された料理を味わいたいならEl Amparoなどが軒を連ねるプイグセルダ通りに向かおう。そして情熱の国は夜が更けてからが本番！そうだ…フラメンコだ！タブラオ（食事もできるライブハウス）は随所にあるが、はるばる来たぜMadrid！Corral de la Moreriaで世界最高のステージを見ないで何とする！！
ベトナム フエ Hue
華やかな王朝文化を今に伝える世界遺産の街フエ。極彩色の皇帝王妃コスプレもここならではの一興！現地ツアーに組まれている有名なY Thao Gardenなどの宮廷料理はインスタ映えする芸術的なニンジン飾りで豪華に見える分だけ高額だが、意外に料理自体は普通かもしれない。観光客で賑わうトゥドゥック帝陵では、一歩裏に回って悲惨なベトナム戦争の爪痕を垣間見るのもお忘れなく。一般人のためのフエ料理の代表バインベオ（蓮の葉風タピオカ小皿蒸し）やフレッッシュなマンゴサラダなどを美味しく楽しむならに笑顔のベトナム美人が暖かく迎えてくれる便利な繁華街のGolden Riceが間違いない。食後のお楽しみは近くのシアターAo Dai Show。日本人がこのまま読むとアオダイショー（青大将）になってしまうが、これこそ正真正銘のアオザイショー！アオザイがベトナム国の歴史の記録だということをドリンク付きで楽しみながら理解できるコスパ抜群のファッションショーである。
ベトナム ホイアン Hoi An
海のシルクロードの要衝として栄えたホイアンは、今やランタンの街として人気上昇中であるが、朱印船交易の名残である日本橋（来遠橋）や、成功した中国出身者の足跡を残す広東会館や福建会館などのある世界遺産エリアに入るには「旧市街入場チケット」が必要。５枚綴りの１枚は素朴な伝統民族舞踊が見られる船着場前のTraditional Art Houseにキープしておくと程よい休憩に役に立つ。ホイアン３大料理①太平洋戦争の日本兵の置土産と言われるカオラウ（汁なしレタス肉うどん）②洒落た名前のホワイトローズ（エビ蒸しタピオカ餃子）③酢豚風味のトルティーヤ（揚げワンタン）は街中どこでも食べられるし、お腹が丈夫なら市場通りの屋台でも…ただし天秤棒の物売りやランタン売りにカメラを向けると法外な撮影料を要求されるのでご注意を。唯一無二のホイアンディナーを堪能するには、沈む夕日を遊覧小舟から眺めた後に、観光エリアから少し外れた河畔に面した優雅なレストランBrother’s Cafeまで歩くことが間違いなく究極の選択と言える。
ランタンの街 ホイアン
ベトナム ダナンDa Nang
日本のODAで完成した6kmに及ぶ東南アジア最長トンネルでフエまで100kmの移動が大幅に短縮され中部最大の都市ダナンは開発バブルに沸いている。ロングビーチにはリゾート気分を満喫するVinpear Luxuxuryなどランチにも絶好の高級ホテルが林立し、さらに中国と韓国からの大型資本投下も目白押し。フランス統治下からのゴルフ場エリアのテーマパークBana Hillsに出現した巨大な「神の手」や、アッという間に終わってしまうのが驚きのドラゴンブリッジの「ファイアーショー」など人工のアトラクションに疲れたら、Denlong Lanternの素朴な家庭料理かFusion SuiteのレストランFRESHの「ベトナム郷土料理めぐりセット」で癒されたい。ダナン博物館の展示で米軍ナパーム弾など最大の激戦地の惨状を見た後だと、砲撃で開いた聖地マーブルマウンテン五行山の天空の穴や、今なお地雷や枯葉剤の残るという近郊ジャングルの景色が一段と強烈な想い出になるに違いない。
