マテーラMatera サッシ&美食
キリスト処刑を描いた映画「パッション」のロケ地であり宮崎駿監督が「天空の城ラピュタ」の着想を得た街と言うだけでバジリカータ州マテーラが地球上で唯一無二の存在と納得できる。旧市街チヴィタの南北Sasso (岩)を合わせて複数形Sassiサッシと呼ぶが何と言っても街中の全ての建物や道路が凝灰岩をくりぬいて出来ている。先史時代からのネグラに迫害から逃れたギリシャ正教の修道士が移住したことから集落ができたが19世紀以降の近代化の中で街は荒廃し衛生治安悪化からの強制退去によってゴーストタウン化した。しかし1993年の世界遺産登録を機に洞窟住居群に上下水道と空調完備のホテルの他レストラン、ミュージアムなども開設されてMateraは一躍イタリア有数の人気観光地として甦った。再現資料館Casa Grottaのマネキン展示や向かいのミニチュア館で洞窟暮らしを辿った後は、清潔なサッシ空間に明るく楽しい豪快な笑い声が響き渡るオステリアPicoで本物のマンマの味を堪能すれば元気いっぱいViva Italia!と乾杯したくなる。