フィレンツェFlorence ミラノMilan コモ湖Como
イタリアと言えばルネッサンス発祥の地フィレンツェ…ミケランジェロのダビデは一日見ていても飽きないがウフツィ美術館は作品が床壁天上に溢れかえっていてギブアップ…こんな時はイタリア語でMangiareマンジャ―レ、Cantareカンターレ、Amoreアモーレ!と叫んで乾杯しよう…食べて歌って恋していれば気分は最高。氷河湖イゼオ南側の風光明媚なワインの里フランチャコルタで作られるシャンパーニュ製法のキメ細かい泡が特長のスパークリングワインの代表格Vigneti CENCIチェンチの産地ラボスカイオーラまで車で約1時間の距離にあることでミラノは食の都になれたのに違いない。ミラノ大聖堂Duomoのスケールとサンタマリアデッレグラツィエ教会のレオナルドダヴィンチ「最後の晩餐」で本物の存在感に打ちのめされた後は、モダンな店のイカ墨リゾットよりも安心できる老舗ドンリサンデールDon Lisanderの美しいサフランリゾットで癒されたい。鹿肉などジビエ料理にチャレンジしたければ近郊の風光明媚な高級別荘地コモ湖まで足を延ばすとよい。
ローマ Rome
ローマは一日にしてならず…だがローマにいると一日毎に1kgは太るかも知れない。コロッセオ、フォロロマーノの遺跡を歩き、サンタマリアインコスメディン教会で「真実の口」に手を入れてオードリーヘップバーン気分に浸り、トレヴィの泉にコイン投げたら、気軽で美味しいPinsitaly Treviでお好みピザを食べ、名高いジェラートGiolittiでチョコとピスタチオをチョイスして幸せいっぱい、お腹も一杯。午後はバチカン巡りとミケランジェロとベルニーニの噴水を眺めてアートを満喫…シメの本格イタリアンディナーは一度は行っておきたいサバティーニ本家Sabatini in Trastevere!50余年前に物理的な豊かさより精神的な豊かさを求めてローマの街で最もローマらしいトレステベーレにリストランテを始めたサバティーニ3兄弟の精神とロマンが息づいている。でもこんな時代…海外渡航が難しい人はイタリア政府公認レストラン第1号店の栄誉に輝く青山外苑前の東京店で何処か懐かしい本場の雰囲気を体験するのも一興。
サンフランシスコ San Francisco カルフォルニア州 アメリカ
I left my heart♪の調べに胸が一杯になる人も多い想い出のサンフランシスコ…レトロなケーブルカーの終点ロータリー回転ショーと、圧倒的なスケールでパックスアメリカーナを象徴するゴールデンゲートブリッジの赤い橋桁。入り江の向こう側には美しいサウサリート…この地で偶然目に留まり即座に購入した鮮やかなデザインのTシャツやトートバックが、フォークソング世代にLove and Peaceの薫陶を与えた女流アーティストLaurel Burchの作品だったことを帰国後に知った時、我ながら自分の審美眼とセンスの良さにホレボレしたものだ!そして街の南にはスタンフォード大学を擁し世界を席巻するGAFAの中核たるシリコンバレー、北には世界のグルメシーンをリードする本格ワインとヘルシーレストランの宝庫である緑豊かなソノマ&ナパバレーが広がる。とは言えアメリカに足が向かない方には取りあえずNapaワイン の絶品シャルドネClos DuValを飲みに名古屋のレジェンド須本一信シェフの店Tout La Joie Ismまでたどり着くことをお勧めする。
ケープコッドCape Cod ボストンBoston マサチューセッツ州 アメリカ
英国教会の迫害から逃れ新天地を求めた清教徒のメイフラワー号が到達したプリマスのあるケープコッド岬は随所でアメリカ建国の精神と苦難を辿ることができるが、中でも移民の子供たちが遊んだ人形やママゴト用のミニチュアキッチンを集めたYesteryears Doll Museum(Sandwich)はユニークだ。America First!と連邦議会に突入したトランプ狂信者がアメリカの代表とは思いたくないが、まあ1776年の建国も以後のゴールドラッシュに沸いた西海岸までの侵攻も全ては戦争と殺戮の歴史だった。とはいえ独立宣言発布都市Bostonは世界の知性と学術をリードする学園都市…ハーバード、MIT、Wheatonなど有名大学も多いので映画さながらの戸外での卒業式シーンに遭遇するチャンスもある。ちょっと足を延ばせば音楽家の聖地タングルウッドで開放的なコンサートも楽しめる。もちろん伝統的なイングランドスタイルから斬新なフージョンまで高級レストランは随所にあるが、東海岸ではコスパと味付けではクラムチャウダーと言う選択が一番無難かも知れない。
ブーズベイBoothbay メイン州 アメリカ
アメリカ東海岸カナダ寄りの街ブーズベイには、農薬による環境破壊と健康被害にいち早く警鐘を鳴らしたRachel Carson女史が海辺と森の自然観察を楽しみながら晩年を過ごし「ある秋の嵐の夜、わたしは一歳八カ月になったばかりの甥のロジャーを毛布にくるんで、雨の降る暗闇のなかを海岸におりていきました」で始まり「善良なる妖精に子どもたちに生涯消えることにない神秘さや不思議さに目を見張る感性を授けて欲しい」という願いを込めて執筆したThe Sense of Wonderゆかりの別荘が残っている。環境問題に取り組む人々にとっては聖地だが、田舎町への来訪者は少なく街角の記念碑も見落としてしまいそう。静かな入り江の漁村でひときわ目に着く看板はレッドロブスターの名で日本でもお馴染みのメイン州特産の大エビ!海水でボイルするか半割にしてグリルで焼いてレモンとマヨネーズだけの味付けだが、アメリカンフードとしては最高だ。皿の上と水槽で泳ぐ個体を観察しながら食べると「いただきます」と言う言葉が「命を頂戴する」意味だと納得できる。
Rachel Carson 記念碑 街の一般道にある
The Sense of Wonder(上藤恵子訳)
Rachel Carsonが晩年までThe Sense of Wonderを執筆した別荘
甥のロジャーと一緒に歩いた海岸
Boothbay港
お土産用のガラスのレッドロブスター
キューバ Cuba ハバナHabana
キューバ革命と言えば髭のカストロ!だが、もう一人の立役者ゲバラは生き様のカッコよさから親しみを込めてCheチェの愛称で呼ばれ、街中でも土産店のグッズやTシャツでも不滅の英雄である。アメリカとの国交回復によって往来し易くなったもののキューバの首都ハバナは1959年以来ずっと時の停止した鎖国状態だったので、旧ソ連製エンジンを搭載した改造キャデラックとトラック荷台の乗合バスやココナツ型ココタクシーが走り回る市街地はレトロなテーマパークの感がある。昼夜を問わず街角でサルサやルンバなど多彩なラテンライブに遭遇できてウキウキ楽しいが…激しいリズムにも何となく哀愁を感じてしまうのは、ルーツが植民地時代にアフリカから連行され過酷な労働を強いられた黒人奴隷の僅かな救いと喜びを求めた肉体表現だったからだろうか?と思ったら、国立舞踏団スタジオで最高の先生から即興ステップの特訓を受けて夜のライブハウスに備えよう!腹ごしらえは名店ボデギータでミント葉がたっぷり入ったモヒートを飲みながら郷土料理コングレ…キューバで赤飯!というのも嬉しいではないか!
キューバCuba ハバナHabana フロリダMiami
キューバで貴重な外貨の稼ぎ頭は国賓用コイーバや可愛い箱のロメオ&ジュリエットなどで知られるシガーと黄色いボトルでお馴染みのラム酒ハバナクラブだが、枚挙に暇がないメジャーリーガーを除いて最高の人的財産といえば1999年以降に映画とライブで世界中に感動の嵐を巻き起こしたブエナビスタソシアルクラブの超熟年ミュージシャンに違いない。スペイン語の意味は分からなくても一度耳にしたら忘れられない歌声は不滅の伝説と化しているが、レジェンドと言えば名作「老人と海」も当地が舞台…セントラル公園近くにあるフロリディータで砂糖抜きのフローズンダイキリ「パパ・ヘミングウェイ」をお気に入りのカウンター席で微笑んでいる大作家とカストロの写真に献杯しよう!このラム酒とライムのカクテルは結構キクので酔ったイキオイで名物トロピカーナに行ってしまおう!ここが本当に共産国?とビックリ仰天の露出度アップのド派手ショー!えーい…ここまで盛り上がってしまったら帰路はマイアミ経由でアメリカ流のオモテナシも堪能するっきゃないぜ!